「申し訳ないがJavaはNG」
この言葉を座右の銘に置く私としては、常にAndroidアプリ開発は戦いです。
AndroidはJava開発が最も基本で、C#で開発するにはXamarinなどの環境が必要です。
Xamarinは昔は有料だったうえ、ドキュメンテーションも少なく非常にとっつきにくいものでした。しかし、Visual Studio 2015にはオプションでXamarinをインストールできるようになり、ついに2016年にはMicrosoftに買収され、Visual Studio 2017ではモバイル開発の中核に置かれるようになりました。
というわけで、私もXamarin初心者ですが、VS2017もインストールしたことだし本格的にいじってみようと思います。
Visual Studio 2017のインストール時にXamarin関係のオプションを選択してインストールすると、プロジェクトテンプレートにXamarin.Formsが現れます。
そうするとテンプレートの選択が出てきます。
空のアプリを選択してOKを押します。
そして、プロジェクトをビルドして実行すると…
見事にエミュレーター上でAndroidアプリが動きました。
しかし、このプロジェクトテンプレートには問題が1つあります。
上の画像にも書きましたが、最初のページに相当する「MainPage.xaml」がどのプロジェクトにも含まれていません。
そのため、Visual Studioがコードの依存関係等を理解できずに、IntelliSenseがほとんど働きません。編集しているとコードのいたるところに参照が解決できずに波線が引かれます。とても鬱陶しいです。
この解決には苦労しましたが、とりあえず次のようにやるとできるようです。
まずは、ソリューションにXamarin.Forms用のPCL(Portable Class Library)を追加します。
次は各プラットフォームのプロジェクトでこのプロジェクトへの参照を追加します。
さっき追加したプロジェクトに適当なMainPage.xamlを作ります。
このテンプレートには、XAMLだけでなくコードビハインドにも余計なコードが書いてあるので注意してください。コードビハインドで架空のViewModelクラス(ContentPageViewModel)をインスタンス化しようとしてくるのでコンパイルエラーが出ます。
public partial class App : Application
{
public App ()
{
InitializeComponent();
//MainPage = new XamarinFormsTest.MainPage();
MainPage = new XamarinFormsTest.PCL.Views.MainPage();
}
protected override void OnStart ()
{
// Handle when your app starts
}
protected override void OnSleep ()
{
// Handle when your app sleeps
}
protected override void OnResume ()
{
// Handle when your app resumes
}
}
最後はApp.xamlのコードビハインドでMainPageのインスタンスを自分が追加してやったPCLのほうへ書き換えてやればおkです。もとあったMainPage.xamlはいらないので削除してしまってもよいでしょう。
これでMainPageをPCL上に移動することに成功しました。
PCL上にUIを置けるということは、Nugetなどを活用して適当なライブラリを入れることもできるということですので、例えばXamarin.Formsに対応しているMVVMライブラリ「Prism」を入れてみましょう。
そうすれば、ほとんどWPFと変わらずにXAML+C#でAndroidアプリを開発することができます。
このアプリでは、スライダーを 動かすとそれに追従して上に表示されている数字が変わります。「ADJUST TO 50」ボタンを押すと数字とスライダーが50の位置に移動します。
XAML+C#のデータバインディングのデモをするにはこれくらいやれば十分でしょう。
例えばコントロールの配置が「HorizontalOptions」「VerticalOptions」とかいう名前のプロパティだったりと、若干WPFと違うところもありますが、まあこれくらいならフィーリングでわかるレベルでしょう。
あとはXAMLデザイナーでリアルタイムに配置の絵が表示される機能は内容ですが、この程度ならば個人的にはまあギリギリ許容できます。
これくらいWPFの開発にそっくりだと、普段からWPFで開発している身としてはとてもありがたいですね。
というわけで、いろいろといじってみようと思います。はい。