USB-OTGに対応したPICとしてはかなり有名どころで、多くの書籍やウェブページでも取り上げられており、資料は豊富にあります。にもかかわらず入手性は最悪で、国内の通販では共立電子くらいでしか取り扱っていなくて、さもなくばDigiKeyとかで海外から取り寄せるくらいしか方法はありませんでした。
しかし、ついに秋月電子で取り扱いが始まりました。秋葉原に行くだけで買える!しかも、共立電子の半額以下という破格の値段です。
というわけで、早速買ってきました。
手前がPIC24FJ64GB002で、奥がPIC32MX250F128Bです。
この2つ、前者は16bitマイコン、 後者は32bitマイコンでアーキテクチャも何もかも全く違うのかなと思ったら、なんとまあピンコンパチ(多分)でした。少なくとも電源やUSB周りは同じで、PIC32MXのほうをいじってみたときに使った回路をそのまま転用することができました。
というわけで、そのPIC32MXをいじったときに最終的にいきついたFatFsを動かすお話に用意したプログラムをPIC24FJ64GB002に移植してみました。
と言ってもほとんど苦労はしません。
そもそもこのデモプログラムはPIC24FJ64GB004でも動くように作られてて、多分これと002の違いはピン数とかパッケージとかその程度です。また、FatFsは完全にデバイス非依存で、型の大きさとかに気をつけておく程度でちゃんと動作はしてくれるはずです。というわけで、プログラムの修正はほとんど必要ありません。
まずは前回のプロジェクトのプロパティからDeviceをPIC24FJ64GB002に変更します。
…と言いたいところですが、PIC32MXのほうの設定を消すのはもったいないです。かと言ってバックアップとってゴニョゴニョやるのもめんどくさい。というわけで、プロジェクトのコンフィグレーションを追加してしまいましょう。MPLAB Xのプロジェクトはコンフィグレーションと呼ばれるものを複数作っておくことで、同じ構成のプログラムを別のデバイスに簡単に移植できるようになっているようです。もちろん、コードがそれに対応していたらの話ですが。
プロパティのカテゴリーの欄の下にある「Manage Configurations...」というボタンを押すとこんな画面が出てきます。
Duplicateで既存のコンフィグレーションをコピーできますが、まあコピーしてもコンパイラが違うとコンパイラの設定が全部吹っ飛んじゃうんであまり意味無いでしょう。ということで、Newを押して、適当な名前のコンフィグレーションを作ります。そして、Set Activeボタンを押せば、そのコンフィグレーションがアクティブになります。
そして、作ったPIC24FJ64GB002のほうのコンフィグレーションに対して、設定をしていきます。デバイスが未設定なので、右上のデバイスの欄からPIC24FJ64GB002を選択します。そして、コンパイラをXC16に設定します。そして前回同様、インクルードファイルのパスとヒープ領域の容量を設定してあげます。
次に、ソースコードの修正を若干します。修正箇所は、コンフィグレーションビットの設定とマイコンの初期化のプログラムのみです。
とは言っても、デモプログラムのほうにPIC24FJ64GB004のコードが入っているので、プリプロセッサの__PIC24FJ64GB004__を__PIC24FJ64GB002__に変更してやるだけです。というより、#if definedで追加してやる形にしました(具体的なコードはMicrochipの著作物なので掲載は遠慮しておきます。各自MLAのサンプルコードからコピーしてください)。
#if defined(__PIC24FJ64GB002__) || defined(__PIC24FJ64GB004__) //中略 #elif defined( __PIC32MX__ ) //中略 #else #error Unsupposed Processor #endif
コンパイルは、クリーンビルドをしてください。PIC32MXのほうの何かが残っているとリンクで謎のエラーが起きて焦ります。
そして、書き込みが終わればUSBメモリーを挿して、めでたくサンプルファイルの書き込みがされて完成です。
めでたしめでたし。
ここまで書いてなんですが、値段で見ると、PIC24FJ64GB002が340円、 PIC32MX250F128Bが360円です。20円差でより高性能なPICが買えるなら、別にPIC32MXのほうでいいんじゃないかなーって気はします。
まあでも最初に言った通り、PIC24のほうは資料の豊富さは格別です。気が向いたらBluetooth Stackとかに手を出してみようかなー。
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